一般的なSEは残業が多いといった激務のイメージが強いです。実際、お客様の要望に沿った納期に間に合わせるよう動くため厳しい現場であることは否定することができません。そのため「社内SEであればSE業務も出来るし一般のSEより仕事が楽でいいかも!」と思う方も少なくないようです。しかし、「社内SEはやめとけ」と言われることがあります。
本当に社内SEはやめておいた方がいいのか、社内SEはやめとけと言われる理由は何故なのかを解説していきます。
「社内SEはやめとけ」は本当!?
社内SEのデメリットとメリットを紹介していきます。
社内SEはやめとけと言われる理由1:スキルアップが難しい
社外のお客様を相手にするSEはお客様の要望に合わせてシステムの提案や設計をしていきます。情報技術の話題の変化は特に目覚ましく、お客様を相手にしている場合は常にいち早く最新情報を入手していかなければなりません。
毎日のようにお客様にシステム入れ替えの提案や構築をしていくため、望むと望まざるとにかかわらず自ずと勉強が必要となってきます。必要に迫られるため意識せずともスキルアップしていきます。
一方、社内のシステムのみを扱っている場合、さほど頻繁にシステムの入れ替えは発生しません。特に「今動いているシステムをそのまま使っていけばいい」「システムにあまり投資はしない」と考える社風の会社であれば、なおのこと技術の動向を追っていく必要は求められません。
そのため、職場で技術のスキルアップをしていくのは容易ではありません。また、そのような環境にいた後、社外向けSEへの転職は難しいと言われています。最先端情報からは乗り遅れていると見なされるため、今後社外向けSEを考えている場合は職場から離れて自分から勉強していく必要があります。
社内SEはやめとけと言われる理由2:ITリテラシーが低い人との対話
今までIT最先端で働いてきた人が社内SEに転職すると驚かれるのが「社員のITリテラシーが低い」ということです。もはやITとは関係のない「プリンターで印刷できません」「電話が繋がりません」といった問い合わせ対応に追われる可能性もあります。
私は社外向けに提案や構築をするSEだったため、社内SEの方と接し社内SEならではの愚痴を聞くことも多々ありました。
その中で最も多く聞いたのが「社員のITリテラシーが低い」「電気で動くものは全て社内SEの対応範囲だと思っていて程度の低い問い合わせが多い」ということです。極端な例ですが、電気ポットが壊れたといって社内SEに連絡が入ることもあるようです。
SEからすると大したことのないシステム入れ替えであっても、画面上のボタン1つが違う場所に表示されるようになっただけで問い合わせが殺到することもあるそうです。
今まで何気なく使っていた単語1つでも伝わらないことが多く、コミュニケーションを取るのが大変という話も耳にします。
社内SEはやめとけと言われる理由3:年収があがりにくい
現在、社外のお客様を相手に仕事をしているSEとして活躍されている方の場合は、年収が下がる可能性は高いと思ってください。
中にはSE経験者の採用を熱望されており高待遇で社内SEを迎える会社もありますが、一般的には下がる傾向のようです。
そもそも一般的に社内業務部門は年収があがりにくいポジションです。
大型プロジェクトの受注等といった対価を得る社外向けに仕事をしている部門に比べて、会社にとって大幅な利益をもたらしにくい部門だからです。また、社内SEの場合はお客様の納期に合わせるため遅くまで残業するといったことも少なくなるため残業代も減るといったことも起因します。
社外を相手にしているときと比べ、「納期が間に合わず対応に追われる残業」や「トラブルが発生し対応改善に迫られたストレスの負荷」等が軽減されます。その分年収が減ると考えれば理にかなっています。
しかし、今後も収入増加を目指している場合は意にそぐわない結果となりかねないことを注意してください。
「社内SEはやめとけ」と言わない人はどんな人?
一方、「社内SEになって良かった」という人もいます。
私の友人で大手SIerから「社内SEに転職して良かった」と言っている人の例を紹介します。
友人は残業休日出勤が多い環境から転職し、家族との時間を充実させて生活しています。大手SIer時代は一等地に通勤し、毎日長時間の満員電車で戦っていましたが、プライベートを優先させ転職先企業は自分の家から近いところを選びました。
また、以前はプロジェクトに合わせて転勤や遠方へ通うこともありました。しかし、今では本社の引っ越しがない限り勤務地が変わることがないことも、ストレスが軽減されたことの1つと言っています。
その友人は元々面倒見の良い性格だったこともあり、培ってきた知識を使って社内のITリテラシー向上に向けて楽しく仕事をしているとのことです。
他にも周りで社内SEに転職をした人は少なくないのですが、その方々を見てきた結果以下のような人には向いているようです。
・自分が培ってきた知識を使って社内の改善をしていきたいと考えている人
・年収よりもワークライフバランスを大切にしていきたいと考えている人
・社外のお客様よりも社内の人とのコミュニケーションの方が向いている人
こんな人は社内SEはやめとけ!
ここまで「社内SEをやめとけ」と言われる理由と社内SEに向いている人を紹介してきました。ご説明してきた通り、社内SEにはメリットとデメリットがあります。
以上を踏まえて社内SEはやめた方がいい人を改めてまとめます。
・「収入を増やしたい」または「今後増やしていきたい」と考えている人
・最新技術に触れながら仕事をしてスキルアップをしていきたいと考えている人
・ITリテラシーの低い方と対話にストレスを感じてしまう人
これから情報技術の発展に伴い、IT企業に限らずどの会社でもIT知識の向上は必要不可欠です。
そのためSE経験者の社内SEは多くの会社から求められている存在です。社内SEは決して悪い仕事ではなく、社内の知識向上やシステム導入のアドバイザーとして人の役に立てる素晴らしい仕事です。しかし、社内SEに向いている人もいれば向いていない人もいます。
自分に向いているのかしっかりと見極め、あなたにとって適した環境で仕事ができるよう応援しています!
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