就職氷河期に新卒の就職活動があたった世代の方は、辛い思いをされた方が多いのではないでしょうか。
私も就職氷河期の世代なため、当時を振り返ると「大変だったな」と思い出します。就職氷河期世代の方から見ると、売り手市場の時期に就職した人を見ると羨ましく思ったり時に妬ましく思うときもありますよね。
周りの同世代の人も「時代を恨む」と言う人も少なくありません。
自分の力ではどうすることもできないため、時代や世の中を恨みたくなりますが、そんな人がどうしていくべきか解説します。
就職氷河期世代で恨みを抱えている人へ
就職氷河期世代を経験し恨みを持っている方へ、これからどうしていくべきかを説明します。
就職氷河期世代が就職活動中に恨みを抱いたこと
日本における就職氷河期世代は、バブル崩壊直後(1993年〜2005年卒)とリーマンショック後(2010年〜2013年卒)に就職活動の時期を迎えた世代を指します。
この時期は大学卒業時点で就職先が決まらず、就職浪人をした人や正社員になれず非正規雇用やアルバイトのままとなってしまった人も多くいました。
私の周りでは「大学院進学」や「公務員」へ方向転換する人も殺到しました。
就職活動中はサラリーマンに囲まれて電車に乗りながら「こんなに多くの人が就職して働いているのに私はこの電車にいる誰よりも劣っているというのか、社会から要らないと言われている」と思い自分を全否定されたような気持ちになった時期もありました。
恐らくそんな思いをした人は多いのではないでしょうか。
周りからも「就職氷河期で災難だったね」と言われ、時代を恨む気持ちが芽生えるのも無理はありません。
就職氷河期世代が売り手市場世代に対して恨みを抱くこと
就職氷河期世代の方から見ると、売り手市場の時代に就職活動をしている人は羨ましくなります。時に恨み感情を持つこともあるでしょう。
私は当初希望していた職種や企業ではありませんでしたが、落ち続けた末に何とか正社員として就職先が決まりました。
しかし、私も売り手市場世代の方から「そんな名の通った大学出たのに何でこの会社なの?」と周りから言われ、まるで自分が出来損ないのような目で見られることもありました。
この悲しみや妬み恨みは売り手市場世代の人には理解してもらえないのが、また就職氷河期世代の人の辛いところです。時代が違うので、その辛さは想像ができないので「何で内定が出ないのか」というのが分からないのです。
就職氷河期世代で恨みを持った人は今
就職氷河期世代で就職活動に苦しみ恨みを持った人が今、どんな生活をしてるか3人の事例を交えてご紹介します。
1人目は私自身の事例です。
私は「何とか拾ってもらえた」という気持ちがあり、就職した会社に対して「恩返しをしなければ」と思い働いていました。そのため、今思い起こすと過酷な環境下で仕事をしていました。
簡単にまとめると以下の状況です。
・休みはない
(最後に休んだのは何ヶ月前か分からない状況です。有給を取ったことはありませんでした。)
・始発まで仕事をして一旦帰りシャワーだけ浴びて出勤
・たまに家に帰って意識を失い玄関で寝てしまい慌てて起きて出社
それでも「正社員になれたのだから当たり前」という感覚でした。正直、世の中の正社員は皆このような生活をしていると思っていました。
しかし、流石にこのまま一生この環境で働けないと思い一念発起して転職活動を始めました。
転職活動をしたのは「売り手市場」の時期だったため、新卒の就職活動期とは比べ物にならない状況で、受けた企業全てから内定を出してもらえたのです。
転職活動を経た今は以下の状況です。
・自分のやりたい仕事をしている
・転職前よりお給料もアップ
・定時過ぎには帰れるようになったため仕事の後プライベートの予定を入れられるようになった
確かに転職活動時は売り手市場だったということもあります。
しかし、内定をいただいたどの会社からも「前職で10年近く真摯に働いてきた姿勢を評価した」と言ってくださりました。
2人目は、アルバイトを真面目に続けた結果、正社員となった友人の事例です。
就職活動期に内定が出ず、学生時代のアルバイトをそのまま6年以上続けた結果、正社員として雇用されることとなりました。彼女は翌年就職浪人もしたのですが、翌年も就職氷河期が続いており内定に至ることができませんでした。
途中で売り手市場の時代に突入し、学生のアルバイトから「この人は就職できなかったんだ」という哀れみの目で見られたこともあったそうです。
しかし、真面目で人当たりの良い性格から周りの方から評価され、正社員として推薦されるに至りました。正社員となった結果、福利厚生の環境も整い親を安心させることができたと喜んでいました。
3人目は就職活動で自信を喪失してしまった友人の事例です。
彼は、大学受験まで失敗の経験をしたことがなく、順風満帆な生活を送ってきました。そのため、就職活動も難なく終わると見込み狭き門の企業ばかりを受けてしまいました。結果、氷河期ということもあり内定を得られない結果となってしまったのです。
就職浪人した後に国家試験を目指して勉強していましたが、すっかり自身喪失をしてしまったことも影響し試験も落ちてしまいました。それから、アルバイトを転々とする日々を過ごしています。
アルバイト先で叱責を受けると「自分はダメな人間だ」と感じてしまい、アルバイト先を辞めてしまうとのことです。
努力した結果、今まで受験やスポーツで成績を収めてきたことを知っているため今の状況が残念でなりません。
就職氷河期世代で恨みを持った人がすべきこと
上記で挙げた話は、全て就職活動期に苦渋を飲まされる結果となった例です。
しかし、「今」がそれぞれ違うことが分かります。
残念ながら就職氷河期は時代の流れなため、自分の努力では限界な部分もあります。しかし、恨んでいても幸せは掴めません。
私の経験や氷河期を乗り越えた人を見て、どうしていくべきかをまとめます。
1.「就職氷河期だったからもうダメだ」と腐らない
私や友人は置かれた環境で何年も頑張ってきたことが評価され今に至っています。誰かが必ず見ていてくれます。
2.最初に置かれた環境(会社)に感謝しつつも他の道はないのか考える
採用してくれた会社、アルバイトとして雇用してくれた環境はとてもありがたいものです。
しかし、その環境を客観的に見ることも大切です。もちろん、数年は働いてみないと仕事の良し悪しは分かりません。しかし、長い間働いて「合わない」と感じたら見直す必要も出てきます。
「採用してくれたから」と言って過酷な状況下で辛抱強く働いている人もいますが、「他の道もあるよ」と伝えてるようにしています。
3.時代や周りを恨まない(恨んでも表には出さない)
恨みたくなる気持ちは分かります。しかし、それを表に出すと周りの人は不快な思いをします。結果、良好な人間関係は築けません。ポジティブな考え方の人の周りに人間は集まってきます。
前向きな考え方を持つように心がけていきましょう。
就職氷河期を経験した人は、他の世代の人より強くなり優秀な人材になると言われています。
氷河期経験のマイナスをプラスに変えて自分の強みとしていってください!
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